恐るべきNHK

ある平日、早く帰宅することがあって何となくテレビをつけて、懐かしくなってNHK教育の「にゃんちゅう」を見ていた。NHKのキャラクターもほぼ代替わりして、よく分からないものが多いのに、まだ生きているのか「にゃんちゅう」。その一コーナーで、海外にいる子どもがその国をレポートするという趣旨のものがあるらしく、今日はイギリスのロンドンから届いています!という場面になった。そこでのイギリスの紹介とその「おねえさん」のコメントに私は心底驚いた。

イギリスの紹介「イギリスは女王様がいる国です。(中略忘れた)最近では王子様が生まれて話題になりました」
おねえさんのコメント「あーあ、私のところにも白馬に乗った王子様が来てくれないかなあ」
今でも、「白馬に乗った王子様」ってギャグじゃなくて使うの?!何そのセリフ、誰が台本書いたの?それともフリー発言?さらにはちょっとポイントずれるけど、生後数か月の赤ちゃんのニュースで「迎えに来てくれる王子様」とかいうのも正直気持ち悪かった。
NHK教育には子ども向けにいい番組もあると思っているが、正直ことジェンダー感覚についてはまったくもって油断ならない、と判断した。
昔聞いた、四児の母だという高校の先生の話をふと思い出す。
「私は、子どもを育てるにあたって“男だから”、“女だから”とは言うまい、そういう意識を作らせまいと決めていました。しかしそのたくらみは、小学校(保育園だったかも?)に入ってあっさりと破られました。学校というのは、男はこう、女はこう、これは男の色、こっちは女の色、ときっぱり分けるんですね。」
今、妊娠6か月なのだが、とにかく周りには性別を聞かれる。もちろん、親である私にとっても重大な関心事だし、経過が順調となれば、あとは性別くらいしか話題がないし、産まれてからだって当面は大きさと性別くらいしか特徴がないのが赤ちゃんだろうから、聞くのは分かる。ただ、その先にうっすら見える、親として子どものジェンダー意識にどうかかわっていくのかという問題に、げんなりしたりできる限りのことはせねばと思ったりする。
ちなみに今のところ性別は不明。
先日、上司に薦められて『LEAN IN』を読んだ。これを読み、部下である私に「妊娠中の奥さんを持ってる旦那さんにぜひ読んでもらうとよい」と貸してくれる上司がいる環境であることがとりあえずありがたい。また、感想として思ったのは、親に感謝することはたくさんあるが(最近特に思うのはたぶん人並み以上に健康に産み育ててくれたこととか)、「女だから」と極力言わずに育ててくれたことであるなあということだった。