妊娠をめぐる雑感2

  • 「旦那さんがえらいよね」

育休とって戻ってきます!と会社で言った時の反応の一。現代社会の世間一般対比、育児について復職について目が届いている配偶者であるという点では、素直に「はいそうです!」と言いたいし、当然に感謝の念は持っている。
ただ、ここでこういう人に「はいそうです」と言うということは、「本来ならば女性がやることを(もっといえば、アンタみたいな人じゃなくて「女性らしい女性」だったら一手に担ってくれることを)、わざわざ引き受けてくれるえらい旦那さんでよかったね」という内容を肯定することになってしまうような気がする(もちろん、その人は“ただ単に”「いい旦那さん持ったね」とだけ思っているようなので論争をけしかけるつもりはない)。でも、こういう人の根底にある夫婦観、性役割分担観としては、「子どもを産んでからも仕事したいなんて我がままだね。旦那さんも気の毒に」と言う人と何ら変わりはないのではないか。ただ、それをストレートに言うか、「建て前としては/今の世の中は男女平等であるべきだから」と猫を被っているかの違いで。
私は「当然のことを当然のことのようにやってくれる」という点で配偶者に感謝は尽きないけれども、それって他人に「えらいね」と言われることではないと思うのだが。
こういう「ほめているし本人に悪気はないのだろうが、その実態は“異物”扱い」というのが、男性が育休をとる、保育園に迎えに行く等をするときのやりづらさに一定程度つながっているのではないか。

  • 結局はその人が許せるかどうか

よく、「育休をとるときは腰を低くして角が立たないようにしよう」VS「当然の権利なのになぜ卑屈にならなければいけないのか」みたいな論争がある。育休にしろなんにしろ、周りが快くフォローしてくれるかどうかは、結局その人が許せるかどうか、好きかどうかにかかっているという意見もあって、率直に言って、私もそれは…そうだよね、と思う。
だから「人の好き嫌いで育休等をポジティブ/ネガティブにとらえるのを止めよう」というよりも、「嫌いな人のため業務負担が増えるのをいやだと思うのは仕方がない。仕方がないが、それはその人の権利なのだから叩くネタにはならない」というふうに考えられるようにはならないのか、と思う。