美しい

組織には、その中にいろいろなグループがあって、それぞれのカラーがあってあるいは対抗していることもあると思うのだが。
ともかく私の会社のグルーピングの一つに、「営業」と「本社(営業以外)」がある。誤解を恐れず分かりやすく言えば、営業というのは勢いよくてうるさくて落ち着きがなくて我がままと理不尽と「元気があれば何でもできる!」の世界。本社は静かで陰気くさくて官僚機構で頭脳派気取り、とでもいうようなグループ。
私は今回多くの同期とともに全国方々の営業組織から東京本社に異動してきた。お決まり文句だが「まるで違う会社にきたみたい」。雰囲気も業務内容も、まったく違うところに放り込まれて、結構窮屈で地が出せない、ような感じの同期たちと先輩に誘ってもらって先日飲みに行った。
それがいいかどうかは別として、その同期たちは私よりもずっと過酷で理不尽な目にいっぱい遭ってきたように見える。でも「それでも楽しかった」と語る彼らはずいぶん頼もしく輝いているように思える。そしてしーんとした今の職場で息をひそめている昼とは打って変わって、飲み会場で荷物を寄せ人の上着を受け取ってかけ、机の上を整えて注文を取る、その生き生きとしてかつ手慣れた手際の良さを、私は「美しい」と思った。体育会的な、「お前ビール持って回れ!」的な飲み会をもちろん私は好きではないのだが、そんな飲み会を通してしごかれた結果なのだろうが、「美しい」と思った。