笑い足らぬ人にはア本

斎藤美奈子をして「大丈夫か、ちくま新書ひいては筑摩書房」と言わしめた本をたまたま見つけたので手にとってみた。『妻をみなおす』(ちくま新書 2004年)。
まだ半分しか読んでないけど、すごい。3ページのまえがきを読んだだけで、私もハゲドウ(激しく同感)した。びっくりした。出版社の心配をしてしまっていいのか、私ごときが。中身を読んでみたところ、新書なので新書なのかと思ったけどエッセイ・雑文だったのにもびっくりした。そういうのもありだったのか。目次を読んだところでもそんな印象だったけど。
とりあえず前半分には妻の影も形も出てこなくて、なにもみなおしてないくて、「女のどこが醜いのか」「こういう女とは付き合いたくない」ということを書いているので(この二つは章のタイトルである)、タイトルを『くそ女ども。』にでもしたらどうかと思った。新書たるもの名は体を表し、かつインパクトがあるほうがいいと思う。そのほうが著者にハゲドウする人に手にとってもらえるのではないか。それともここから後半で劇的どんでん返しがやってきて、「はいっ、妻をみなおしますぅ〜(涙涙涙」と思えるのだろうかドキドキ。妻いないけど(笑)想定読者(25〜55歳男性)じゃないくてごめんなさい。でも20代男性でこのタイトルに魅かれるってどうよ。
それから「ア本」というのは、ト本(トンデモ本)でもなくて、「あきれたのア、開いた口がふさがらないのアである」と斎藤が作ったカテゴリーだったと思う。