ムーンライトながら

目深にかぶった帽子に眼鏡にマスクという、ひどく露出部分の少ない格好で席に落ち着く。前日、この道中や通学時間に読もうと思って適当に買った軽めの小説を読むことにする。やっぱりこういう本を読むのが一番楽しい。しかも適当に選んだわりになかなかヒット。いや、内容的によかったというより、このタイミングのよさがうれしかった。読んだのは北村薫「冬のオペラ」中公文庫。短編3連作で、2話と3話では能の「舎利」が重要なモチーフ。この日私は今年最後の練習でちょうど「舎利」を謡ったところでした。おおすごい偶然!第2話の舞台は東京。暇と元気があったら行きたかったなニコライ堂。ちなみに第3話の舞台は京都というのも少しおっと思った(11月に行ったので)。そして最後の最後で出てくるオペラは私のとても好きなもの。最後のページをくってびっくり。
そんなこんなで眠気がやってこず、着いてしまう東京。