「おっさん小説」

おっさん小説のベッドシーンは、まあエロいっちゃエロいのだが、正直萎える。
高杉良『暗愚なる覇者 小説・巨大生保』
同業社に勤務する者として、会社がちょっと嫌になったり。そうなんだよね、この会社って結局こういう構造で…。それでも私ですら営業部が一瞬懐かしく思われた。
しかし話のメインは別に生保特有の問題ではなくて、社内のごますり勢力が成り上がっていく過程を熱血仕事デキる人間がなんとかしようともがく話という組織内部の話なので、会社組織人間模様の考え方の勉強にはなったが、別にそれ以上のものはない。
あらすじを追ってる文章の割に無駄がある(ベッドシーン完全に必然性がなかった…)のとか、同じ表現使い過ぎなのはまあご愛敬か。それにしても何回「放尿」したら気が済むのか(※普通にトイレ行ってるがこの表現が好きらしい)。
同作者の『小説・日本興業銀行』の評判良さそうで、もともとそっちが目的だったのがつい寄り道してしまった。

  • 追記

この小説では女性は完全にF○CK対象でしかない、というのが私の感想だったのだが、巻末の解説を読んでみたところ「これほど“大人の女”の魅力を描き切った作者がかつていたであろうか」とあったので、驚いた。自分の読解力への不安が募る。え、あれは読者サービスじゃなかったの…??「仕事と愛欲の見事なまでの両立」らしい。そしてこの解説もみごとにあらすじ紹介。これ読めば本編読まなくてもいいかも!
ついでに、つまらん揚げ足を取るが「…な大生マンはゴマンといるだろう」という表現も複数回出てきたはずだが気になる。あのう、「大生従業員」ならいいでしょうが、大生「マン」は全員でも5万人いないでしょ…。営業職員が6万人とかなんとか文中にも出てくるので余計気になる。