クリスマスソング

私は、暗い歌が好きだ。気がつくと口ずさむのは「いつかのメリークリスマス」。やたら好きだ。あとは♪きっと君は来ない〜とか、音程的に難しいので口ずさみはしないが「サイレント・イヴ」。クリスマスソング集(友人による編集)の“ブルー版”が一番のお気に入りである。(他にレッド版とか恋人たち版などがある)
この選好を、私は根が暗い性格だから、と人に言ったら納得してもらえなかった。やっぱりか。たぶん、要するにあまのじゃくなんだろうなと思う。幸せでハッピーなクリスマスという“当たり前”の構図への反発。そういうクリスマスは私にとっては「キッチュ」なのだろう。
と書いてみて、キッチュってこういう使い方でいいのかな、と考えている。エリザベートで覚え、先日のクンデラ『存在の〜』でも出てきて、使いたくなった言葉。キッチュ、「俗悪なもの」と本では振られている。
あるいは、善意100%ではないところ。穂村弘の本『短歌という爆弾』から私が読み取ったところによると、短歌の素人と玄人の分かれ目、大きな違いの一つは、素人の歌は善意100%であるのに対して、玄人は悪意を織り込むところであるらしい。善意はあくまでこの世界の半分に過ぎない。もう半分の悪意、影、を詠えるかに違いが出る、と。この場合は別に素人玄人の問題ではないが、ハッピークリスマスという善意に満ち満ちた感じではなく、影がある方が好きなのだ。
好きなのだが一点気になるところ。「いつかのメリークリスマス」に私が買って帰った「椅子」ってどんな椅子なんだろう。買って電車で帰っているからには、やはりそんなに大きくない…?しかし、私は欲しがったからにはロッキングチェアとかソファーみたいな椅子だ!と思い込んでいたので、あるとき「えっ?!電車で帰った?えらい頑張るじゃん・・」と気づく。もしかしてスツールみたいなやつ?さらにもしかして折りたたみイス?持ち運びに難なし!ってか??
どんなイスなんだ・・・。